第13回ピアノ分解教室 事業終了報告
2021年8月1日(日)
第13回ピアノ分解教室を開催いたしました。
2020年は感染症拡大防止のため開催できませんでしたが、今年は感染症予防対策を取りつつ、定員を半数にして開催いたしました。
午前の部7組15名、午後の部7組15名様のご参加をいただきました。感染症対策へのご協力誠にありがとうございました。
調律師で塩見調律事務所の塩見浩和さんが、ヤマハピアノを分解しつつ、ピアノの仕組みや成り立ちなどを詳しく教えてくださいます。
◆教室の最後に、質問コーナーを設けました。
塩見さんに1組1問でご質問を頂戴し、回答していただきました。さらに聞いてみたいこと等、ご質問へ回答をいただきましたので、掲載いたします。
Q 電子ピアノを作るのは何年かかりますか?電子ピアノの部品の数は?
→ 電子ピアノはほとんどの部品が工業製品(金属・プラスチックなど)ですので、ピアノより早く作れると思います。詳しくはわかりませんが、数か月だと思います。部品数は専門的にはわかりませんが、ピアノの半分以下だと思います。
Q ピアノの部品の中で一番面白かったのは何ですか?
→ レペティション(連打装置)です。
Q たくさん弾くと、まずどこの部品がダメになりますか?先生の家族は、音楽に関係しているお仕事をされていますか?
→ たくさん弾くと「ハンマーフェルト」が消耗していきます。家内(妻)がピアノの先生をしています。子供達は成人していますが、中学校までピアノを習っていましたが今は普通の職業をしています。
Q ピアノを1から組み立てるのにどのくらいの時間がかかりますか?
→ 本体も含めて、工場では約半年程かけて作っています。
Q 最近のピアノの情勢は?(習ったりする方は増えてる?減ってる?等)
→ ピアノ人口は現在の人口(子供達の人数)に対して昔と同じ割合で(維持、横ばい)いらっしゃいますが、少子化により昔よりは減っているように見えます。
以上です。皆さまご質問ありがとうございました!
次回開催につきましては、詳しく決まりましたら砥部町文化会館内、またホームページ等にてご案内いたします。
来年も無事開催できることを願っております。
ご参加ありがとうございました。
開館20周年記念事業 太鼓芸能集団 鼓童 砥部特別公演 ~至高ノ響キ~ 催事終了報告
砥部町文化会館開館20周年記念事業
太鼓芸能集団 鼓童 砥部特別公演 ~至高ノ響キ~
を開催いたしました。
鼓童の皆様の磨き抜かれた演舞、打法はお客様を魅了し、来場いただいたお客様より
「素晴らしかった!」「毎年砥部に呼んで欲しい!」と感想をいただきました。
梅雨時の湿った空気を、カラッと晴れやかにしたような公演を楽しんでいただけたのではないでしょうか。
【当日の演目】
1、大太鼓
2、彩
3、七節
4、ミリャンアリラン
5、花八丈
6、木遣り
7、祭宴
<休憩>
8、神祇の太鼓
9、一の舞
10、線
11、山唄
12、Shiver
13、あかり
アンコール. 帆柱起こし音頭
ご来場いただきました皆様、
誠にありがとうございました。
魅力ある愛媛の音楽家たち―Vol.16― 池田慈ピアノリサイタル ~ひばりが告げる春の訪れ~ 催事終了報告
「池田慈ピアノリサイタル」を開催いたしました。
松山市出身の池田慈さんによるピアノリサイタルでした。留学の地、ロシアで培ったロシアンピアニズムの音色が会場を包み込みました。
【当日の演目】
1.J・S・バッハ
フランス組曲第5番 BWV816
2.モーツァルト
3.チャイコフスキー
「子供のアルバム」より「ひばりの歌」
「四季」より3月「ひばりの歌」
4.ショパン
バラード第1番Op.23
バラード第2番Op.38
バラード第3番Op.47
バラード第4番Op.52
5.グリンカ=バラキレフ
ひばり第1稿
6.ラフマニノフ
プレリュードOp.3-2「鐘」
池田さんの指から紡ぎだされる音色は、当館のスタインウェイと相性がよく、繊細かつ力強い音色にご来場いただいたお客様は、その音色に引き込まれておりました。
ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。
魅力ある愛媛の音楽家たち―Vol.15― 内島雅千穂 現代箏曲リサイタル ~箏の技巧、その音色~ 催事終了報告
「内島雅千穂 現代箏曲リサイタル」を開催いたしました。
砥部町出身の箏演奏家 内島雅千穂さんによる箏リサイタルでした。
【当日の演目】
1. 箏独奏のための練習曲 箏:内島雅千穂
2. 斜影 箏:内島雅千穂
4. 星のように 箏Ⅰ:神立雅美順 箏Ⅱ:内島雅千穂 十七絃:石井雅樂帆
5. 十七絃独奏による主題と変容「風」 十七絃:内島雅千穂
6. 三つの断章 箏:内島雅千穂
7. 箏と十七絃による三重奏曲 箏Ⅰ:神立雅美順 箏Ⅱ:内島雅千穂 十七絃:石井雅樂帆
内島さんのソロでは、繊細な演奏技巧や大胆な弾き終わりなどバリエーション豊かで、また、音楽院の同期でお互い研鑽しあった、神立さん、石井さんとの合奏は息があっており、どれも素晴らしい演奏でした。
ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。
第12回ピアノ分解教室 催事終了報告
8月4日(日) 第12回ピアノ分解教室を開催いたしました。
毎年大人気のこの教室、今回も午前の部34名、午後の部35名と
定員を超えるご参加をいただきました。誠にありがとうございます。
調律師で塩見調律事務所代表の 塩見浩和さんが
スタインウェイピアノを分解しながら、仕組みや歴史を
わかりやすく丁寧に教えてくださいます。
小学生から大人の方まで、興味津々にピアノの中をのぞいてみたり、
部品を手渡されて大事そうに掲げ見たりされておりました。
実際に調律体験もしていただき、「難しい」「うまくできた!」等
たくさんのご感想を頂きました。
◆この教室の最後に、「調律師の塩見さんに聞いてみたいこと♪」の
時間を設けましたが、時間の都合上お答えしきれなかったご質問への
回答をいただきましたので、掲載いたします。
(質問)ピアノに興味を持ったのは、なぜですか?
(回答)自分好みの音が出ることや他の楽器には難しいハーモーニーが
ピアノ1台で簡単に奏でることが出来るからです。
(質問)調律していて、今までで一番困ったことはどんなことですか?
(回答)30年近く調律をされてないピアノを調律した時にピアノ弦が
切れてしまい思うような音が作れなかったことです。
(質問)どうしてペダルを踏むと、音が長くなったりするのですか?
(回答)ペダルを踏むと弦の上にある黒色のダンパーフェルトが上下して
弦の振動を大きく出来る仕組みになっています。
(質問)きれいに響かせるにはどうすればいいですか?
(回答)心を込めて鍵盤を弾いて弱い音や強い音を指でコントロール
すればいつか綺麗な響きが出せるようになります。
(質問)ピアノの重さはどれ位ですか?移動方法もあるのですか?
スタインウェイD-274は何キログラム位ですか?
(回答)家庭用のアップライトピアノで260キロ、グランドピアノなら
350キロ前後でスタインウェイは480キログラムあります。
移動は専用台車(ジャッキ)に乗せて移動させます。
(質問)調律で音の参考とするものは何ですか?
(回答)音叉です。
(質問)図の中にある“リム”の役割は何ですか?なぜ2か所(手前と奥)にあるのですか?
(回答)役割は響板の反りを防ぐ為にあり、全体の響きも伝えるために2か所あります。
(質問)なぜピアノは88鍵に決まったのですか?
(回答)人間の耳で聞き分けできる音が1番目の鍵盤から88番目の鍵盤の音迄なので。
(質問)ピアノは日本に何台ありますか?
(回答)過去から現在まで1000万台くらいは販売されていますのでそのくらいはあります。
(質問)調律師の女性の割合を教えてください。
(回答)40%前後ではないかと思います。
(質問)調律師になるためには、ピアノはどのくらい弾けるようになればいいですか?
(回答)ブルグミュラーやソナチネ程度が弾けると充分です。
(質問)ピアノの調律は、最初に基準の音を鳴らして、そこからは調律師さんの耳に
かかっていると思いますが、普段から耳を鍛えるために、何か気をつけていることは
ありますか?
(回答)日常の道路の音、部屋のドアの音、階段を上るときの靴音、チャイムの音など
なにげない音を聞き分けるよう生活しながら綺麗な音を探すよう意識しています!
(質問)分解したあと、戻すところが分からなくなって困ったことはありますか?
(回答)同じ形のネジがわからなくなることがありますのでネジが入っていた順番に
並べる自作のネジ入れを作っています。
(質問)ピアノには、同じメーカーでも個性がありますか?
(回答)はい!!同じ木材を使っている同じメーカーでも木の木目は1枚1枚わずかに違う
為それが音の個性となって現れます。
(質問)部品はどこのものか全部覚えるのですか?
(回答)そうです!
(質問)学校は何年かかりますか?卒業試験はありますか?
調律師は人手不足ですか?それとも多過ぎですか?
(回答)2年で学校は卒業出来て家庭用のピアノなら調律が出来るようになります。
試験はあります。実技中心で音楽理論や構造学などの学科もありますが
しっかり教えていただけるので大丈夫です。学校卒業後に大きなグランドピアノや
コンサートピアノの資格が取りたい場合は働きながら色々な研修を受ける機関があります。
調律師はやや多いかと思います。
(質問)調律師になる為に必要な能力は何ですか?例えば、音感とか指の感覚の鋭さなどですか?
(回答)音色(音の艶や硬さなど)の違いに敏感なことです。
(質問)普段のピアノのメンテナンスで注意することは何ですか?
どれくらいの頻度で調律をするべきなのですか?
(回答)ご家庭のピアノなら1年に一度の調律が良いと思います。ピアノは木とフェルトが多く
使われていますので湿気を嫌います。湿度計などで管理されてください。理想は湿度が
52%ですのでエアコンや乾燥剤などで維持されてください。
(質問)なぜピアノを弾いていたら、音が変わって調律が必要になるんですか?
(回答)音が変わるのはお部屋の温度変化や湿度変化が一番影響します。
家庭では夏と冬の温湿度変化で弦が変化するので1年くらいで音が変わってきます。
(質問)スタインウェイとヤマハでは、なぜスタインウェイの方が音がきれいで響きが
良いのですか?グランドピアノの大きさ以外に何が違うのですか?
(回答)ハンマーフェルトの種類や響板の深い年輪でより繊細な音が出るからだと思います。
(質問)カナダとヨーロッパの羊の違いを教えてください。
(回答)カナダは固い毛の羊が多くヨーロッパは柔らかい毛の羊が多いです。
(質問)ピアノの鍵盤は、なぜ黒と白に分けてあるのですか?
(回答)ピアノはよく使う音階の白鍵と半音上下の♯や♭(黒鍵)とで
間違わないように色分けしています。
(質問)ピアノの黒い部分は何で塗っているのですか?
(回答)黒檀(こくたん)という黒い木ですのでもともと黒いです。
(質問)もしピアノが壊れてしまったら、どうするのですか?
(回答)修理すればほとんど直ります。
(質問)1台のピアノの調律にどのくらいの時間がかかりますか?
(回答)1台の調律に約2時間かかります。グランドもアップライトも
同じですが年数が空いている場合は安定した調律になりにくい為
これより時間がかかることがあります。
(質問)何歳のときに調律師になりたいと思ったのですか?
(回答)10歳の頃です。
(質問)どうやって調律師になりましたか?
(回答)ヤマハの調律学校(浜松市)を卒業して一般的な(4級)調律師になりました。
その後、楽器店で働きながら1~4級までの調律グレードを再度学校に行き試験を受けて
すべて取得してヤマハピアノコンサート技術(1級)を取得して数年間コンサート調律や
一般家庭、小中学校高校、大学のピアノ調律のお仕事をこなして(国産全メーカー)
海外メーカーのスタインウエイコンサートピアノグレードをスタインウエイジャパン社(東京)で
勉強してその資格を取りました。その後ベーゼンドルファーコンサートピアノグレードの資格も
日本ベーゼンドルファー社(静岡)にて取りました。
(質問)1年に何台ぐらい調律しますか?
(回答)現在は約1200台です。
以上です。皆さまご質問ありがとうございました!
次回開催につきましては、詳しく決まりましたら
砥部町文化会館内、またホームページ等にてご案内いたします。
「大谷康子&イタマール・ゴラン デュオ・リサイタル」 催事終了報告
2019年5月16日(木)
「大谷康子&イタマール・ゴラン デュオ・リサイタル」を開催いたしました。
夜公演でしたが、大谷康子さんのヴァイオリンと、イタマール・ゴランさんのピアノ、息の合った素晴らしい演奏と、大谷さんのやわらかくあたたかなトークに、お客様も惹きこまれていらっしゃいました。
花束贈呈の際、小さな男の子から花束を受け取った大谷さんが仰っていた、「音楽が好きでいてね。」という言葉に、会館職員として、とても感銘を受けました。
みなさま、ご来場ありがとうございました。